Message展 出展をふりかえって

インスタグラムのDMにGallery IYNさんから出展のお誘いをいただいたのは1年前のことだった。

さかのぼること6年前、霊感が強いとやら言う写真家さんに、芸妓舞妓に描いて贈っているような似顔絵は手元に描きためれば将来は個展をしているだろうと、予言めいたことを言われたのをきっかけに、とくに目標も持たず似顔絵とはべつに月イチベースで舞妓の絵を描いていた。

それ以前にあるクリエーターのかたの呼びかけで、仕事の研鑽のために1日1枚付箋にデザインして50日つづけようという企画に賛同して、思いつくまま舞妓の絵を描いて、それをもとにLINEスタンプをつくったのだが、その50日、描いたものをインスタグラムにupしていたのを思い出して、

とりあえず描きためた絵を普段用とはべつにアカウントを立てて、少しづつインスタグラムにupしつづけていたのがGallery IYNさんの目にとまったようだ。

いつかもし個展を開くなどということがあるならば、題材が芸妓舞妓であるかぎり、必然場所は京都になるのだろうとしか思っていなかったので、大阪の中崎町のギャラリーさんからのお申し出であったので、
直感的に、今気をかけている大阪・南地 たに川の芸妓さんたちを描いて、大阪の人にこそ見てほしいという思いが沸き立ち、そもそも似顔絵だけをずっと描いてきたので、モデルにする芸妓さんたちに直接承諾をもらって、デザインした個々の千社札も絵に貼り付けて作品することにした。
結果として、彼女たちの周知に少しでも応援できたらと。

Message4 出展作品について

長姉の芸妓である玉幸さんについては過去に、今宮戎神社十日えびすの宝恵かごに極めて近い将来に乗せてもらえることの願いを込めて描いたものを

二番目の芸妓であるいち鶴さんは本人がミナミの芸妓として長く夢見ていた戎橋に立つ様子を

三番目の芸妓である美与鶴さんは意志の強い彼女なら法善寺の水掛け不動に願いではなく誓いをたてるだろうと想像して、そのさまを

それぞれ描いた。

また「似顔絵」であるかぎり、当のご本人が見てよろこんでくれそうなものを盛り込むようなこともしている。

出展作品制作中に新たにGallery Vieさんから秋にもっと点数の多い出展を依頼され、このシリーズに描けなかった妹芸妓さんたちをそのときに追加することを決めた。

額装

1月の神戸の出展の額装の費用と手間の経験と、Message展の出展条件で額を含むサイズがほぼB5レベルだったのでそのサイズの既製額を購入し、SMサイズで描いた絵の裏にB5の紙を貼って調整した。

開催に至って

会場の雰囲気については、Gallery IYNさんは学生や駆け出しの若いデジタルクリエイターの登竜門的な位置づけのようで神戸のときとは違う意味で僕の絵は浮いていたが、かえってアナログがゆえの温かみのようなものがあるとの感想もあって、それはそれでよかったのかもしれない。

開催期間中にいち鶴さんの誕生日イベントがあって、同席した南地芸妓のファンの方々の来場を仰いだり、連絡をとった昔の職場の同僚、1月の神戸の公募展からの描く方面のお友だちなどが見に来てくださってとてもありがたかった。

見てもらえること、言葉をいただくことはうれしいし、制作の励みになる。
9月はフロア内のコの字ブースを1つもらって作品を15-20枚をサイズ自由で埋めることになっているが、一段と気持ちが入る。

『 MESSAGE展4 』2023年6月9日(金)~18日(日)
Creation Cafe IYN ・Gallery IYN
https://www.gallery-iyn.com/post/message4