菱餅と三色団子の謎

近年、ひなまつりの時期に近所のスーパーに行くとパックに入った菱餅(ひしもち)を見かけるようになった。菱形に厚くカットされた三色のテイをしている。

はて?僕の子どもの頃からの記憶では菱形の薄い板状のものが重ねられ、上にいくほど小さくなる、ピラミッドのようなイメージではなかったか。

確かに「ひしもち」という名前だったが雛飾りのオモチャで、食品としての実物は見たこともなかった。しかも三色ではなかった。3枚以上は積まれた姿をしていた。

これはあらためて調べねばなるまい。

ところでそのスーパーで売られていたものも含めて和菓子として見かけるものはみんな同じテイの三色で、どこのホームページでも三色のいわれが書かれていて、なぜか店ごとに説明に差異があり、三色でないといけないかのように書かれている。三色団子のいわれと大差はない。

三色団子って、秀吉の「醍醐の花見」からとかそういう話も見かけたけれど、僕の記憶では昭和になり、京都の太秦の映画撮影所で撮る時代劇もモノクロからカラーになって、あるときよくある街道沿いの茶店のシーンで旅の者に出される団子が見映えが悪いので、監督が撮影所に菓子をおさめてる店に華やかにしてくれと注文をつけて、お店がよく使う紅白とヨモギで三色にしたという話だったように思う。そういう映像が出まわって三色は定着したのだと。

これが絶対真実と言い切る自信もないけど、一番もっともらしくて、いまいろんな和菓子屋さんたちがのたまう、そんな高尚ないわれとかそもそも無いと思うんだよね。

だんだん年が経ってものごとの本当のことやいわれを知っている人がいなくなる。だからこそ歴史を創作して子どもにおしえないでほしいものだ。